先日、完成した建物の撮影を行いました。(今週と来週にこの建物で見学会を行います)
最近は撮影には丸一日かけてカメラマンさんに撮ってもらっています。
下の写真は格子戸に囲まれたデッキの中庭で友人たちが集まり酒を飲み交わしながら談笑しているような
イメージで撮ったものです。
真ん中に置く酒ビンの色や形を迷って知り合いの酒屋さんから何本かお借りして置いて比べた上で
鳥飼の白いビンに決まりました。写真を見てもほとんど気にされることのないような事かもしれませんが
結構、無駄に労力の掛かることをしています。ただ僕はこの時間が至福に感じます。
それまでただの器だった建物が、こうして暮らしをイメージできるようになったとき
初めてその建物に新しく命が吹き込まれたような、そんな感覚があるからです。
今、住宅業界は本当に厳しい時代にあります。よくセミナーなどに行くと建物以外の取り組みで
他社との差別化を図るような方法の話をされます。確かにそれらも大切で必要な取り組みだと思います。
ただ僕らはどうあっても住宅屋です。大切に丁寧にそして愛情をもって建物を造ること
これが本分であります。こんな時代だからこそ、この本分だけは決して見失わないようにしたいと思っています。
撮影を通してそこでの暮らしをイメージしたとき、「ああっ今回も良い住まいが出来たな」と
実感したときはじめて、胸を張ってお施主さんにお渡しできると安心できます。
これからも一つ一つの建物に愛情を注いで造っていきたいと思います。
また、撮影で使用した鳥飼は晩酌で愛情をもっておいしく頂きたいと思います。